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八束

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諸々 2015.06.09(Tue) 

先日の記事にも書いた通り、敬愛する作家の来日講演会に行ってきました。
誰だよ? と言いますと、カズオ・イシグロです。

好きな作家が生きてるってすばらしい…………。

登壇した瞬間にもはや涙が出たレベルです。
続きからはその関係の覚え書きメモです。

カズオ・イシグロの代表作と言えば『日の名残り』、最近だと『わたしを離さないで』。最新作はファンタジー長編の『忘れられた巨人』ですが、彼の作品のなかで何がいっとう好きかと言われれば『遠い山なみの光』かなあ、と思います。
彼の初期二作は、とみに「日本語のアクセントで文章(英語)を書いている」そうです。カズオ・イシグロは日本語話者ではないので、あくまで「そう読み取れるようにしている」というのが正しいのかな。なので、日本語に翻訳されるのが怖かったらしいです(笑)(でも翻訳を想定する場合、一番怖いのはデンマーク語だとか。デンマーク語は特殊なのかな)かれの文章表現は巧みで、たとえば新作の「忘れられた巨人」は初のファンタジーであったわけですが、舞台は6.7世紀のブリテンなので、作中の登場人物は英語以前の言語を喋っているわけです。そうしたことを表現するとき、イシグロは「元の言語があることを想定させる」ために、代名詞や関係詞の排除によって会話文を成り立たせたとか。こういうところ、面白いなあと思いました。
講演のなかで彼が言っていて印象深かったのは、つねに「記憶」をテーマにしている、ということ。そして「人は過去をどれだけ覚えていたいのか?」という問いかけである、ということでした。
イシグロにとって過去というものは、静止画で思い出されるらしい。なにか印象的なパーツが中央にあって、周辺はぼやけている。小説というのは一瞬を切り取るものであって、そういった意味で、彼にとって小説というメディアは記憶というものを表現するものにもっとも長けているのだとか。そしてイシグロの問いかける過去というものは個人レベルに限らず、民族や国家にも広がっていく。例に出されたのはアメリカの奴隷制度。「その国にとっての“忘れられた巨人”はなにか?」というのを、海外に足を運ぶたびに近くの人に問いかけるのだとか。こういった話を聞くと、作家という生き物は自身のメディアを通してつねに世界に関わろうとする態度を保ち続けるのだなあ、とぼんやり考えました。
カズオ・イシグロはわたしが女子高生のときに出会った作家で、それ以来、ずっと好きな書き手の一人なので、こうしてお話をうかがう機会を得ることができたのは本当によかったなあ、と思います。
ねがわくば長生きをして、もっともっと色んな作品を世に生み出していってほしいなあ・・・・。
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