僕は星どろぼう

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八束

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ロスコSS 2013.03.17(Sun) 

ロスコSS!
時間軸は本編中(帝都騒乱編)あたりですが、例によってネタバレ満載です。

よろしければ続きからどうぞ。

(ヨクトシア視点)


ここ連日、ユリアナは軍用図書館に通い続けていた。
クラエスさんに言われた通り、遺構の使用言語である英語を勉強するためだ。アラビア語とはまったく異なる文字、文法、発音を併せ持つ言語を短期で習得しようなんて、ユリアナの根性も相当だ。本当ならば間に入って教えてやりたいところだったが、残念ながら今の俺は鎧兜を被る身である。
その日はクラエスさんがたまたま所用で不在で、そう広くはない図書館には俺とユリアナがいるのみだった。俺は扉付近でじっと気配を押し殺しながら、勉学にいそしむユリアナを眺めていた。
ユリアナは椅子に座ってしばらく英文の暗唱をしていたが、ふと思い立ったように腰を上げ、立ち並ぶ本棚の方向へと消えていった。視界からいなくなるのは心もとないので、距離を保ちつつ俺もそれを追う。
しばらくひとつの棚を前にさ迷っていたユリアナの視点は、目当ての書物を前に定まった。

「んー……」

手を伸ばして取ろうとするが、届かない。
その視線が備え付けの梯子に据えられたところで、俺はユリアナに歩み寄ろうとした。しかし俺がたどり着くよりもはやく、ユリアナはその梯子に手をかけて登ってしまった。
見ているだけでハラハラする。彼女の運動神経がそう優秀でもないのはもとより承知だったから、俺は鎧兜の裏側で心配顔だ。しかし俺の心配など露しらず、彼女は危なっかしく梯子を登ると、目的の本を手にする。

「わっ、」

その顔が安堵でゆるんだのも束の間だった。
ユリアナはあっという間に梯子の上でバランスを崩した。慌てて距離を詰めて彼女を抱きとめるが、その拍子に背後の本棚に背が当たり、自分もろとも崩れ落ちてしまう。
ばさばさと本が数冊落ちる音が響く。俺はユリアナの身の安全を確かめようと、腕の中の彼女を見下ろした。仰向けに抱き込まれたユリアナは当惑のまなざしで俺を見つめている。

「えっ、あ……。ごめんなさい、ヨルガ」

数秒遅れて現状を把握したユリアナが、思い出したようにそう言った。
しかし俺は別のことに意識がいってしまっていて、せっかくの彼女の言葉もろくに聞いていなかった。倒れこんだ拍子にめくれあがった、制服のスカート。その下から覗く眩しいほど白く健康的な腿と、それから――。
とっさに俺は視線を逸らした。不思議そうな顔をしたユリアナを無言で立たせ、落ちた本を片付けると、そのまま何事もなかったように距離を取った。
多分、平静は取り繕えただろう。しかし俺の内心は、うっかり目に焼きついてしまった光景に混乱を極めていた。
めくれあがったスカートから覗いた、普段は隠された太腿――年頃にしては、少し細いくらいかもしれない。それから年相応の、かわいらしいドロワーズの裾が、ちょっとだけ見えていた。
相手は14歳だというのに、俺は何を考えているのか。そう、相手は14歳で、しかも小さい頃から知っている相手だ。それなのに、それなのに――。

無意識のうちに頭を抱えれば、訝しげなユリアナの目線が吸いついた。

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