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八束

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【LC】会話文&SS 2013.01.30(Wed) 

昨日に引き続き小ネタ第二段。
今回はLost Cornerです。どちらも本編後の話です。

よろしければ続きからどうぞ!

(着替えを覗かれた時のユリアナの反応)会話文

「そういえば、最近着替えてる時に視線を感じるのよね」
「物好きですね。貴女の着替えなんて見ても、何一つとして益はないでしょうに」
「失礼ね! とにかく、工学の実験の時は作業着に着替えるじゃない? その時になーんか視線を感じるのよね」
「護衛している限り、別に誰も見てないと思いますよ。……ああそれとユリアナ」
「何よ」
「ようやくドロワーズは卒業したんですね」
「はっ……!?」
「最近は段々布面積が少なく……色気づいてきましたね」
「……あなただったのね」
「何がですか?」
「何が、じゃないわよ! この変態! 人の着替えを覗くなんて!」
「護衛の一環ですよ、対象は基本的に視界から外しませんからね。ギャーギャー騒がれてもうるさいだけです。貴女の下着に興味なんてこれっぽっちもありません」
「の割にはしっかり観察してるじゃない! ああもうヨクトシア、これ処分して!」



(バレンタインチョコを貰った時のクラエスの反応/デレたユリアナに対する男共の反応)SS


「これ、あげるわ」

 そうぶっきらぼうに言われて、クラエスが手渡されたのは小ぶりの包みだった。リボンと素っ気無い紙で包装されたそれは、手に乗せられてもさほどの重みは感じない。
 訝しげに自分よりも頭ひとつ分は小さい少女を見やる。すると、物凄い剣幕で睨まれた。

「何よその顔。開けてみないの?」
「開けていいのですか?」
「決まってるじゃない」

 心なしかその頬には赤みが差している。
 果たしてこの状況は一体なんなのか、と思いつつクラエスは手元の包みを開いた。中から出てきたのはアルミに包まれた小さな物体がいくつか。次いでそれを剥がしてみると、とたんに甘い匂いが鼻腔をくすぐった。

「……チョコレート。どうしたんですか、こんな高級品」
「工学の実験で作ったのよ。製造技術をネーデルラントの遺構からサルベージして、生産ラインを組み立てて、原材料を貿易商から仕入れてね。大変だったのよ? 工学部全体の一大プロジェクトだったんだから」

 そういえばここ数ヶ月、大学の方が忙しそうだったのはそういう訳らしい。
 チョコレートは庶民では中々手を出せない嗜好品だ。製造技術が発達していないのもさることながら、とにかくその原材料にあたるカカオ豆が高い。現在は新大陸から直接輸入されるのみなので、貿易商によってやりたいほうだいの値段がつけられているのだ。
 そういうクラエスも、チョコレートは本国にいた時くらいにしか口にしたことがない。帝国ではチョコレートよりも蜂蜜が好まれているので、そもそもそんなに普及すらしていないのだ。

「それで? そんな大層なものを、私なんかにやってしまっていいのですか」
「別に、そんなに甘いものは好きじゃないから。貴方の方が好きそうだし。……それに」
「それに?」
「……遺失文明時代に関する文献を読んだら、今日はお世話になっている人に贈り物をする日ってあったから」
 
 目を逸らしつつ、頬を紅潮させたユリアナが、ほとんど聞き取れないような声で囁く。
 しかしクラエスの高性能に発達した耳はばっちりその言葉を捉えてしまったので、彼はにんまりと口元に意地の悪い笑みを浮かべた。よく見てみれば、耳まで赤くなっている。まったく素直でないくせに、こういうことはしたがる。そういうところが可愛いのだ、とクラエスはますます笑みを深めた。

「ありがとうございます。道理で貴女が柄でもないことをすると」
「う、うるさいわね! にやにやして、まったく素直に受け取れないの!? ほら、わかったらさっさと食べたら!?」
「そうですね。では頂きます」

 丸く形成されたチョコレートを口に運ぶと、独特の甘みが舌にまとわりついた。蜂蜜とはまた異なる味わいに、なんとなく昔のことが思い出される。前に食べたのは、遠征帰りの父が土産に持って帰ってきた時だろうか。なんにしろ、相当昔のことには変わりがない。
 気を良くしたクラエスは、別のチョコレートの欠片を指先で摘むと、それをユリアナの口に放り込んでやった。

「むっ……」

 一瞬訝しげな顔をしつつも、ユリアナは素直にそれを受け入れた。昔のあの乱闘に比べれば、大分彼女も丸くなったのだろう――それ以上に、信頼されたということだろうか。もぐもぐとチョコレートを咀嚼する彼女を餌付けされる小鳥のように感じつつ、クラエスは微笑んだ。

「……ところで」
「何よ」
「ヨクトシアにも、同じものをあげたんですか?」
「当然じゃない。なんで片方だけにあげなきゃいけないのよ」

 さも当然のように答えたユリアナに、クラエスはちょっとだけ気落ちをした。――どうやら、前途はまだまだ険しいようだ。
 






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